静岡おでんの話

静岡おでんは、肉系スープ(当店は牛すじ)でとっただし汁を、濃い口醤油を使って作ります。
これを、毎日継ぎ足しながら煮込んでいます。
黒はんぺんなど、静岡ならではの具材を中心に、だし粉・青のりをかけて食べます。

青葉通りおでん屋台と三河屋

昭和38年ごろの青葉おでん通り屋台店の風景

戦後の青葉公園通りには、夕方になると、200台ものおでん屋台が並んでいました。三河屋は、昭和23年からおでん屋台をはじめました。

三河屋初代店主

写真は、私が小学生だった頃の初代店主の写真です。父の家は蕎麦屋、母の実家が駄菓子屋で、おでんが置いてあったのがきっかけで、屋台を始めました。

昭和38年ごろの青葉通り

夕方の、屋台を準備している風景です。

昭和28年の呉服町アーケード

昭和28年の呉服町です。右下に当店が写っていると、お客様が持ってきてくださいました。

歴史の詰まっただし汁で煮込む、しずおかおでん

昭和23年の創業から、煮込んだ出汁を継ぎ足した伝統の味。

青のり、だし粉をかけて

昔から変わらぬ味を今も引き継いでいます。


青のり、だし粉をかけて食べる、しずおかおでん

静岡おでんの極意

おでんの具は、牛すじ肉、黒はんぺん(静岡特産)、ちくわ、こんにゃく、厚揚げ、卵・・・
などなど、15種類以上。

【串】
おでんの具が串に刺さっているので食べやすく、また串の形で値段が判るので明朗会計。
【黒はんぺん】
静岡の特産物。静岡の人は白はんぺんが苦手な人が多い。
【汁】
肉系のダシに練り物からよく出た旨味が合わさっている(みりんも使わない)。
毎日つぎ足されるダシが良く出た汁。
【食べる時】
まずはコンニャク。元々の味がほとんど無いので、ダシの旨味が良くわかります。
だし粉・青のりをかけて食べる。

静岡おでんの作り方

家庭ごとに違いはありますが、静岡おでんを作るときはこんな風に作ります。

材料

【おでん汁】

①牛スジ下煮
・牛スジ肉(200g)
・水(1リットル)
・濃口醤油(大さじ1弱)

②だし汁
・水(カップ11:およそ2.2L)
・削り節(荒削り)(20g)
 または・昆布(15cm・8枚)

③調味料A
・砂糖・みりん(お好み)
・濃口醤油(大さじ4)
・酒(大さじ2)

【おでんの具】

・黒はんぺん
・牛スジ
・豚モツ
・こんにゃく
・なると
・ちくわ

・玉子
・じゃがいも
・厚揚げ
・ごぼう巻き
・昆布
    …などなどお好みで

継ぎ足して使うほど、黒いおでん汁となります

作り方

【1】牛スジを茹でる。 鍋に茹でた牛スジと水1リットルを入れ火をかける。ゆで汁は捨てる(スジによっては2~3回茹でる。

【2】煮立ったら醤油1弱入れて牛スジが柔らかくなるまで煮込む。

【3】だし汁用の深鍋に水11カップ(2.2L)を沸騰させ、昆布または削り節を入れ、煮立ったら引き上げる。(削り節の場合は煮立ったら濾してください)

【4】先に【2】で煮込んだ牛スジを煮汁ごと、だし汁の入った深鍋に加え煮込み、味を見ながら醤油を入れる。

【5】あらかじめ下茹で(★下ごしらえ)した具を串に刺し深鍋に入れ、調味料Aを入れ味を調えて煮込み出来上がり。
※おでんの具が汁にしっかり浸かるように、お好みでだし汁を足す。

★具の下ごしらえをお忘れなく!
 ・板コンニャクは三角形に4つに切り分け、下茹でする
 ・玉子は堅茹でにして殻をむいておく
 ・昆布は結ぶ
 ・なると・竹輪は斜めに2つ切り
 ・揚げもの系の具は、熱湯をかけて油抜きをしておく

【6】出来上がったおでんに、青海苔、だし粉、をお好みでふりかけ、からし等を添えて食べる。

★食べ残ったおでん汁は、きれいに漉してから冷凍保存し次回のおでんに足して使うとますます美味しくなり、”秘伝のだし”になります。


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